那須野ヶ原の謡蹟めぐり

平成22年4月28日、那須野ヶ原、遊行柳、那須湯本の殺生石と、
能『殺生石』『遊行柳』『八島』にゆかりのある謡蹟を写真探訪して来ました。
那須塩原駅からタクシーを利用して、黒羽街道の道の駅、那須与一の郷・与一伝承館で、訪れる謡蹟の場所を確認してもらい、4時間で周りました。殺生石に到着したのは1時半でした。
生憎の雨天で撮影が思うようにいきませんでしたが、写真をご覧下さい。

那須神社 別名 金丸八幡(場所 大田原市南金丸 那須与一伝承館裏)
近衛天皇の御代、三浦上総介義澄が那須野の妖狐を退治したとき、この社に祈願し、容易く射止めることが出来たので、その弓を奉納したところ。また那須与一宗隆が八島の合戦において扇の的を射る時に、八幡大神湯泉大神を中心に念じ名声を天下に広めたので有名。
犬追物の馬場跡(場所 那須郡黒羽町蜂巣)くらしの館と玉藻前神社の間、道路際 三浦介、上総介達はここで犬を狐に見立て狩りの稽古をしたといいます。
看板の記載
犬追の詳細が書かれています。
玉藻前稲荷神社(場所 那須郡黒羽町蜂巣) 玉藻の前は鳥羽院に仕えた才色兼備な女性で帝のお気に入りでしたが、実は化生の者だったのです。正体を見破られ那須野に逃げますが、ここで殺されてしまいます。玉藻前稲荷神社はその霊魂を祀っています。なんとなく不気味な雰囲気が漂う神社でした。
玉藻の前の祠
池の上に小さな祠が祀られています。
鏡が池の説明
水に映る獲物を見つける話は能『野守』にもあります。野守の翁は水に映る鷹を見つけ、御狩りで鷹を見失った帝に、木の上にいると教えます。
鏡が池
雨が降っていたこともあって水量が多く、これなら蝉の姿に変えた妖狐が見つかりそうです。

狛犬ではなく狛狐? 口に巻物をくわえていました。
狐塚(場所 那須郡黒羽町蜂巣篠原)
玉藻前神社近く、県道との交差点際 意外と歴史は浅く、昭和21年に作られたものでした。
狐塚の大きさを見る
高さ40センチほどの小さな石碑のため探すのに一苦労しました。
遊行柳遠景(場所 芦野)
294号線近く 桜がまだ少し残っていて、春も暮れの景色です。
遊行柳遠景
柳は広い田んぼの中にあります。 遊行柳の初同「道のべに清水流るる柳陰」を思わず口ずさんでしまいました。
遊行柳近景
柳は鳥居の左右にありますが、幹が石垣で囲まれているのは右の柳です。 入り口から入り、鳥居をくぐって振り返り撮影しています。
謡蹟保存会立て札
石垣のない柳のほうの隣に立て札はあります。
殺生石(場所 那須湯本温泉)
硫黄の匂いがきつく、昔は湯煙をたてていたらしいですが、今回は出ていませんでした。
二つに割れている殺生石
注連縄が張られた殺生石。玉藻の前は京の都から那須野へ飛んで逃げますが殺されてしまいます。しかし最後はこの石魂となったと言われています。 玄翁僧都がこの石を二つに割ったので、トンカチを玄翁(げんのう)と大工さん達はいいます。