紅葉の箕面大滝

能『烏頭』(他流は『善知鳥』)に「和田の笠松や箕面の瀧つ浪も我が袖も・・」と謡われています。昔から、和田の笠松と箕面の滝は摂津の国の名所として知られていたようです。『烏頭』ではワキの僧がシテの漁師の蓑と笠を手向けることから、蓑と笠への掛け言葉で謡われるだけで、直接この滝が能『烏頭』の場面と関係あるわけではありませんが、謡に出てくるので謡蹟めぐりとして訪ねてみました。今回は紅葉の時期でもあり、格別に「箕面大滝」を満喫してきました。では写真で、ご案内いたします。

阪急石橋線の石橋駅で箕面線に乗り換え、終点箕面駅で下車します。改札口を出て北へ徒歩5分で箕面公園の入り口に着きます。箕面駅から滝まではおよそ徒歩50分程度です。
駅前の滝道に入ると右も左もお土産屋が並んでいます。
ちょうど秋で紅葉のてんぷらを揚げていたので撮影しました。焼き栗も有名です。
お土産屋と箕面観光ホテルを過ぎ10分程で夫婦橋です。この辺りから紅葉が見られました。
観音堂は2002年に、役行者1300年ご遠忌を記念して再建されました。
堂内の如意輪観音は、平安時代の作で重要文化財に指定されています。
瀧安寺は白雉元年、役行者が山林修業の道場として開き、箕面寺と称しましたが、
元弘2年護良親王の令旨に応じて、瀧安寺の名を賜り、以後、この名前になっています。
もとは大滝の直下にありましたが、慶長元年の大地震で全壊し現在地に移りました。
紅葉に映える本堂、弁財天をご本尊としています。瀧安寺の弁財天は竹生島、江ノ島、厳島とともに四弁財天の一として知られ、60年に一度開帳されます。
瀧安寺霊園の紅葉が綺麗なので、シャッターを押したら・・・、ほら、この通り。
唐人戻岩は駅から徒歩40分ほどのところにあります。昔中国の唐使が滝の評判を聞いて駕籠でこの巨岩のあたりまで来たが、山道の険しいのに驚いて立ち帰ったという伝説の岩。ここを過ぎたら滝まではあと少しです。
戻岩の近くにかかる戻岩橋を過ぎると、左に渓流が見え、少し登ると、滝が見えてきます。
紅葉の滝はさすがに圧巻でした。滝の形が箕に似ているので箕面滝と呼ばれています。
滝の近くには椅子があり、滝を見ながら食事をしたり休んだりと見物人が多くいましたが、これぐらいはまだ普通で、ピーク時は滝道が人で埋まるほどと言われています。
実はこの滝は道路拡張に伴い、水流を変えてしまったので、今は、水を人工的にポンプで汲み上げているようです。何となく、現実を知ると夢が醒めますね。
滝の下で昼食を食べるカップル。この二人、タイガースのファン?それとも尻に敷いているからアンチ・タイガースかな?
帰路は下り坂となりますので、幾分楽です。40分程度で箕面駅に到着しました。箕面大滝に行かれる時は、是非、紅葉の時期をお薦めします。