京都錦秋

平成20年11月、京都にて紅葉見物と謡蹟を訪ねる旅をしてきました。
朝8時、京都市内からタクシーに乗車し高尾三山を目指します。運転手さんに紅葉の具合を聞くと「今年はぬくいから、紅葉は遅いですわ、まだまだですな~」と言われましたが、予定通り、神護寺、西明寺、高山寺、そして特別拝観している寺を廻り、『経政』ゆかりの寺、仁和寺は金堂と観音堂を訪ねました。さらに時間に余裕があったので、金戒光明寺の阿弥陀堂にて恵心僧都作の阿弥陀如来を拝み、熊谷直実と平敦盛の供養塔などを拝んで、最後は六角堂で230年ぶりの秘仏の御開帳を見てきました。
では、今回は写真のメモを重視して展開します。

神護寺に掛かる橋の下を流れるのは『蝉丸』の道行でお馴染みの清滝川。
「里人も咎むなよ、狂女なれど心は清滝川と知るべし」と謡われています。
11月中旬、山の方はすでに錦秋の世界でした。
高尾三山は、京都市内、出来れば妙心寺辺りにお泊まりいただいて、朝早く出かけるとよろしいですよ!」と元お弟子の臨済宗妙心寺派の松下宗伯氏に言われたのを思いだし、朝一番を目指しました。まさにその通り、静かでひんやりとした朝の神護寺は最高でした。神護寺は長い長い階段を幾段も上るので、ご高齢の方には苦しいですが・・・。
私も次回は平気で上れるかな?と思いつつ。しかし、写真の門が見え始めると疲れもいっぺんに吹っ飛んでしまいます。この門をくぐると内は落ち着いた雰囲気が待ち受けています。
本堂の裏に厄除けの土器投げがあります。一組二枚で100円、どれくい飛ぶか試してみましたが、意外と飛ばすのがむずかしく、厄除けになったのか少し心配です。
朝の本堂の庭を掃くお坊様のお姿がとても紅葉と似合っていて思わずシャッターを切りました。
神護寺から近い西明寺はそれほど広くはありませんが、ひっそりとした佇まいが良い感じでした。
西明寺の灯籠。苔の帽子を被っているようです。
高山寺といえば、鳥獣戯画ですが、謡曲の『春日龍神』に登場する明恵上人ゆかりのお寺です。
明恵上人の御廟。上人は春日の神に入唐を止められます。
開山堂は本堂の手前、石水院から少し上がったところにあります。
高山寺から降りたところ、「とがの屋」にて紅葉の清滝川を見ながら昼食。
松茸うどん(¥1500)は松茸が厚く4枚も入っていて、美味しい!
平成20年の仁和寺の特別拝観は金堂と観音堂でした。観音堂の背景の紅葉が美しい。
仁和寺にある謡蹟保存会の立て札は金堂に向かう途中右側にあります。 
金戒光明寺は黒谷と言われる浄土宗の大本山。『西行桜』に「上なる黒谷、下河原昔遍昭僧正の」と謡われます。御影堂の横には、敦盛を討った熊谷次郎直実が出家を決め、ここで鎧を掛けたと言われる「鎧掛けの松」があります。
法然上人の御廟堂に向かい、右側に熊谷次郎直実の供養塔、左側に敦盛卿の供養塔が向かい合ってありました。これが直実の供養塔。
こちらが敦盛の供養塔。
熊谷堂。熊谷次郎直実が法然上人の弟子となり、出家し蓮生と改名して隠棲したところです。
六角堂の秘仏公開は230年ぶりです。夕方4時半に到着したので時間が遅く、間近では拝見出来なかったので、遠くからの撮影です。