沖縄公演と観光

平成16年2月28日、29日は「国立劇場おきなわ」の開場記念公演として「沖縄の伝統芸能に影響を与えた本土の芸能 能楽」と題し、観世流、喜多流二流の公演が催されました。喜多流は28日、半能『石橋(連獅子)』シテ香川靖嗣、ツレ塩津哲生、29日、能『船弁慶(真の伝)』友枝昭世の番組でした。

28日の喜多流の『石橋』は夜8時頃からの公演のため、昼は喜多流有志でマイクロバスをチャーターして、那覇市内を観光しました。

沖縄みやげ話
今回、食べ物の注文の仕方に驚きました。
普通「トンカツ」と注文したら「トンカツ」一品が出るものですが、沖縄では「トンカツ」といったら「ごはん」と「みそ汁」はセットになっています。
本土の人が、「トンカツ定食」を食べようと、メニューを見たら「トンカツ」としか書かれていないので、お店の人に「トンカツ」と「ごはん」それに「みそ汁」もと注文しました。店の人は少し驚いたようですが、注文した人が大変太っていたので、注文通り、品物を出すことになりました。
さて運ばれてくる品々を見てびっくり!「みそ汁」と「ごはん」が山のように並んだのです。
何故なら、頼んだ「トンカツ」には元々「ごはん」と「みそ汁」があり、本土の「トンカツ定食」にあたります。
しかし太った注文人は、ご丁寧に「ごはん」と「みそ汁」もと注文してしまったから大変です。まず「ごはん」が別に持ってこられ、「みそ汁」も注文したので、「みそ汁」が一つ出てくればよいのですが、「みそ汁」にも「ごはん」が付いているので、運ばれた「ごはん」は3杯となったのです。
つまり注文した人の前には「トンカツ」1つに「みそ汁」2杯、そして「ごはん」3杯が並んだということです。沖縄の「みそ汁」は大どんぶりに盛られてきます。後ほど写真をご覧下さい。
以上はタクシーの運転手さんが市内を説明しながら話してくれた、面白い話でしたが、まさか私たちが同じことを経験するとは思いませんでした。

今回の写真探訪は27日の沖縄入りから28日の那覇市内観光、そして能楽師の舞台裏までをご紹介いたします。

午後2時に那覇空港に到着、どことなく外国を感じる景色です。
空港を出てホテルに向かうタクシーからまず一枚、パチ!
我々(能夫氏と私)は、先発の出雲康雅氏、谷大作氏と今は少なくなった公設市場で待ち合わせ。待ち合わせの場所の目の前には、豚さんがいました。
海産物売り場で買ったものは二階の食堂で料理してくれるというので、試しに渡り蟹と伊勢エビを注文。お買い上げ!¥6000。
二階の食堂でビールを飲みながら待つこと4~5分、まず伊勢エビの刺し身が運ばれました。頭はみそ汁に、これが抜群においしかった。
魚を持ち込むと食堂では手数料として¥500といわれたので、「まあー仕方がないか」と我慢したら「一人¥500」というので驚きました。もちろん「安くして」と値切り、それでも一人¥400。土地の人は市場は観光客用なので、ちっとも安くないといって、行かないそうです。
国際通りにある、むつみ橋通り街の中に公設市場はあります。
骨董通りの中には三味線を作る店もありました。
宿泊地ロワジールホテルの夕食後、目の前のスーパーマーケットで酒と肴のお買い物。東京で¥4000ぐらいかなと思ったら、なんと¥2400!
レジの女性に「おー安い! 間違いじゃないの」といいましたら、「間違いじゃないよ、沖縄はものが安いの」とのお返事。
那覇市内観光バスの中。皆、元気です。
琉球王室、尚氏の墓室の玉陵(たまうどぅん)。
中央の女性は友枝雄人夫人。今回は友枝夫妻がツアーのお世話をして下さいました。
正面より、一同礼をして入りました。
玉陵の中。墓室は三つに分かれています。沖縄決戦で大きな被害を受けましたが、今は往時の姿を取り戻しました。
玉陵から徒歩3、4分で首里城公園です。入り口近くでは琉球衣装を着た女性が必死に記念写真の勧誘をしてきます。
門に向かう
友枝雄太郎君と私
金子敬一郎氏、出雲康雅氏、長島茂氏
首里城関係者は皆さん琉球王朝時代の衣装を着ています。
首里城は山の頂にあります。
「階段を見ると万里の長城を思い出すなー」と長島氏。
後ろ姿に早くも疲労が見られると思うのは私だけでしょうか?
首里城宮殿前の広場にて、中村邦生氏、粟谷能夫氏、友枝雄人氏。
広場では一日3回4つの琉球舞踊が無料で見られます。
宮殿全景
宮殿内の手洗いはお洒落。獅子の口から水が出ます。
快晴の観光日和でした。
この日の首里城は能楽師だらけ。宮殿を出た喫煙所でよくお見かけるする面々と遭遇しました。(左から)下掛宝生流の宝生欣哉氏、大日方寛氏、梅若の角当直隆氏、山崎正道氏に下掛宝生流の御厨 誠氏。
粟谷能夫氏
沖縄独特の屋根瓦の前で中村邦生氏。
「いろは亭」で沖縄家庭料理をいただきました。
沖縄のビールはこれ!さっぱり系で飲みやすいオリオンビールです。
何を食べようとすると、この顔になるのかなー?
狩野了一氏と出雲康雅氏
昼食後、識名園を観光。 識名園は琉球王家の別邸。
お茶のお点前に参加した友枝雄太郎君。お行儀よくお作法していました。御立派!
廻遊式庭園は広く、池の中には六角堂や石橋があります。
観光は2時に終了して一度ホテルに戻り、公演に備えました。
『石橋』の装束着付け、楽屋が狭く大変でした。
二日目、昼食の楽屋弁当に食堂でみそ汁を頼んだ出雲康雅氏と私。
このあと大変なことが!
国立劇場で出された弁当。これにみそ汁一杯をつけたつもりがー。
豚汁定食が出てきた! 確かに販売機で買う時¥450は少々高いなーとは思いましたが。
沖縄公演終了後、観世流の方と夕食会。場所はステーキハウス「碧」。
ここはスタッフが女性のみという珍しいお店。
参加者、観世流、武田宗和氏、岡 久広氏、関根祥人氏。
喜多流、粟谷能夫氏、出雲康雅氏、谷大作氏、長島茂氏と私。
能楽協会東京支部長、武田宗和氏が夕食会を手配して下さいました。
ワイン片手にごきげんな出雲康雅氏と岡 久広氏。
長島 茂氏と関根祥人氏。
これ以後の写真はホームページでは公開出来ませんので、ここで終了とさせていただきます。
ご高覧有難うございました。