奈良、京都の旅、15年秋

15年の秋の紅葉の時期、今年も謡蹟めぐりに奈良、京都の旅を楽しんできました。
今年の天候は11月に入っても温暖な日が続いたため、京都の紅葉は生憎今一つでしたが、奈良は綺麗な紅葉が始まっていて、特に談山神社の紅葉は期待通り、見事でした。
いつものとおり、謡蹟めぐりを主に動き回る奇妙な旅ですが、今回は同行者に仏像フリーク、仏像大好きの方がいらっしゃったので説明を聞きながら、普通見ない所まで足を延ばし、くたくたになるほど歩き回り堪能してきました。
今回の旅のお目当ては、世阿弥が藤若と名乗っていたときに参勤したと言われている多武峰談山神社への参拝でしたが、スケジュールを組んでいるうちに聖林寺の十一面観音菩薩、浄瑠璃寺や岩船寺など、なかなか行けないところにも足を延ばしたくなり、また幾度と行っている、『頼政』や『浮船』に縁のある宇治も再度訪れたくなり、今年限りの清水寺奥の院の秘仏特別公開を見逃してはいけないと思ってと、かなりハードなスケジュールを組んでしまいました。それでも無事行って参りましたので、写真で一部をご紹介いたします。

(行程)
11月6日・初日
談山神社~聖林寺~安倍文殊院~奈良国立博物館(正倉院展)
11月7日・二日目
浄瑠璃寺~岩船寺~円成寺~般若寺~転害門~正倉院
宇治橋姫神社~平等院~青蓮院
11月8日・三日目
清水寺===大江能楽堂 高吟会出演 

談山神社十三重塔
白鳳7年創建の藤原鎌足供養塔で現存唯一の木造十三重塔
拝殿
朱塗りの舞台作りで、ここで大倉源次郎氏が奉納しています。
権殿
ここで世阿弥が舞ったといわれています。今は閉鎖されていました。
権殿 2
東大寺転害門
『大仏供養』は喜多流では久しく出ていませんが、
シテの景清が社人の装束で箒を持って登場します。

東大寺転害門 2
橋姫神社
『江口』に「また宇治の橋姫の訪はんともせぬ人を待つも、
身の上と哀れなり」と謡われています。

橋姫神社 2
平等院
近年改修工事が完了して綺麗になりましたが、
公園のように整備されたのは少し残念です。
また入場料の高さに驚きました。
鳳凰堂に入るには別途支払いが必要です。奈良に比べて京都は高いと同行者は嘆いていました。
平等院 2
扇の芝
頼政が自刃した扇の芝は平等院に入りすぐ左側にあります。
扇と言われる通り三角の形をしていますが、後ろからご覧になると判りやすいです。
扇の芝 2
扇の芝 2
扇の芝 3
観音堂
『頼政』の「また釣殿と申して面白き所」とはこの観音堂を言います。
扇の芝の隣にある地味な建物で見落としてしまいがちです。
頼政公墓
墓は平等院鳳凰堂裏の景勝院の中にあり、立派に整備されていました。
頼政公墓 2
頼政公墓 3
宇治川の後方の朝日山
『頼政』で「名にも似ず月こそ出づれ朝日山」と謡われています。
朝日山の左には「いかさま恵心の僧都の御法を説きし寺」と謡われる恵心院があります。
宇治川は宇治川の合戦で有名です。
先陣争いの勝負に負けた梶原景季は能『箙』に登場します。
宇治川先陣の碑
恵心院
平等院より宇治川を渡ると恵心院があります。お花が沢山ある小さなお寺です。
恵心院 2
恵心院 3